どんどん新しい物件は出てきますし、すぐに買い手がついちゃうこともあります。ですので、初めは一つの物件に固執せず、たくさんの物件情報を眺める感じでもよいと思います。
それは相場観を持つことにもなりますので、決して時間の無駄ではありません。
いい感じの物件が見つかったら、実際に見に行きましょう。
SUUMOやHOMESで探すと、売る側の仲介をする不動産屋の連絡先が必ず掲載されています。そこに連絡して、「物件に興味あるから見せて欲しい」と伝えて、待ち合わせの日時を決めます。
日時を決めたら、待ち合わせの時間よりも30分くらい早めに行きましょう。不動産業者は仲介して手数料を稼ぎたいだけですから、不動産業者のペースに合わせることなくじっくりと吟味する時間が必要です。
いきなり連絡するのはちょっと気が引けるという方は、とりあえず資料請求だけでもしておきましょう。
ホームページの画面にはすべての情報が掲載されていますが、資料が届くまでにちょっと時間を置くことで違った視点で改めて物件の資料を眺めることもできます。
物件を見るときのポイント
私は建設業界に身を置いて、一級建築士という資格も持っておりますので、建物の健全性などを見定めるポイントは心得ていると自負しています。
とはいえ、機械を使っての調査や測定なんてできませんから、これだけは押さえた方が良いというポイントをお伝えします。
- 建物の外観・外壁
- 敷地
- 建物の共用部
- 屋上
- 住戸内
1.建物の外観・外壁
建物から20mくらい離れて、建物全体をじっくり眺めます。
目的の1Rの住戸は建物の一部ではありますが、建物全体をチェックすることが大事です。
お目当ての住戸以外で問題が起きてたら、将来同じ問題が発生する可能性があるからです。なぜなら、建物を建設しているゼネコンは、同じ方法・材料ですべての住戸を作っていますから。
遠くからざっと眺めてチェックするポイントは、窓回りの汚れです。外壁にクラックがあると、雨によってクラックに沿ってホコリが溜まります。すると汚れが筋になって目立ちます。
汚れてなくても、太陽の光に照らされて外壁のクラックが見えることがあります。
鉄筋コンクリートは乾燥して固まるときに収縮するので、多少のクラックはどうしても入ります。
問題はその程度です。外壁の窓の四隅から斜め方向にクラックがほとんど入っているような物件はやめた方が良いかもしれません。
ヘアークラックと呼ばれる、幅0.3mm未満程度の細いクラックであれば問題ないと考えても良いですが、それを超えるクラックが多数ある場合は、鉄筋コンクリートの劣化が進みやすいと考えられます。
鉄筋はコンクリートのアルカリ性に守られて錆びないのですが、クラックが入って空気や水に触れるとアルカリ性が徐々に弱くなり、鉄筋が錆びます。
鉄筋が錆びると膨張してコンクリートが大きく割れたりします。
ちょっと前に新幹線の高架橋からコンクリート片が落下するというニュースがありました。それは、鉄筋の錆が原因です。
建物の外観はできるだけ全ての面を確認しましょう。
都心だとエントランス側しか外壁が十分に眺めることができない場合がありますが、いろいろ工夫して全面を確認しておきたいところです。
2.敷地
とかく1Rの分譲マンションとなると住戸ばかりに目がいってしまいますが、定期借地ではない限り、土地も区分所有のオーナーとなるわけです。ですから、敷地にも注意を払う必要があります。
最近のゲリラ豪雨は、建物を建てたときに想定していない雨量に達することがあります。そこで注意したいのは敷地と道路の高さの関係です。
あっという間に道路が川のようになってしまって、マンションの内に水が浸入することはできれば避けたいところです。
日常の出入りの利便性にも関係するので、道路よりも高ければ高いほど良いというものではありませんが、歩道の高さよりも10㎝程度はスロープで高くなってた方が良いと思います。
とは言え、都心のマンションで敷地に余裕がありませんから、そんなスロープなんてない、ということもあるでしょう。
泥水が入ってきて、何が一番問題になるのか。それは電気等の設備が1階または地下にあるかどうかです。
2019年の台風で武蔵小杉のタワーマンションで電気が使えなくなり、機能不全となったことは記憶に新しいです。それは、電気関係の設備が泥水に浸かって壊れてしまったことが原因です。
おそらく、受変電設備(キュービクル:電線には6600Vといった高圧の電気が流れています。それを一般家庭で使う電圧まで下げる装置です)が壊れたんだと推測しますが、キュービクルはオーダーしてから納品されるまで数か月間以上も必要となることがあるので、居住している方々の生活はたちまち困窮することになってしまいます。
今日のまとめ
現地確認は自分のペースでポイントをじっくり見ましょう。
[…] も自宅用でも、不動産を買うときに一番重要なのは建物が建っている場所、立地だと思います。4日目や5日目で説明したことも大事ですが、何といっても立地(ロケーション)なんです。 […]
[…] などでした。1Rマンション購入時のチェック内容と大きく異なることはありません。6.設備の状況 9.他階のテナントの業種 が異なる項目でしょうか。 […]