時間が後先になってしまいましたが、火事になる半年前にエアコンの更新を行っています。建物が完成して30年以上も使われてきており、さすがにくたびれていたのですが、なかなかの高額な出費になるので踏み切れていなかったのです。

30年間で省エネ性は大きく向上していますし、また使用している冷媒ガス(フロンガス)も昔のエアコンにはオゾン層への影響が大きい種類を使っています。この点も含めて更新するメリットがあります。
それでも一番はテナントさんの印象が大事です。より良いオフィス設備を導入することが賃借期間を長くすることにもつながります。
異音の発生の連絡から始まりました
それはある日の午後、テナントさんからのメールで始まりました。室内の天井のエアコンから大きな異音がする。というものです。
音がうるさくて、仕事にならないというのです。これはすぐに対応しないと印象が悪くなります。
更新や修理をすぐに始めることは難しくても、すぐに動いていますよ!という印象を与えることが重要です。
今回は先ほどの省エネ性やオゾン層への影響を踏まえて、修理ではなく更新にすることはすぐに決心しました。次は業者選びです。
業者選定と現地確認
速やかにエアコンの更新を進める必要があります。本来であれば3者くらいから相見積をとって、更新工事の内容や金額の比較をして業者を決めたいところですが、今回はそんなことをやってる時間がありません。
そこで、仕事柄、数社知ってるエアコン業者から特命で、ある空調設備会社に連絡を取りました。まずは業者との現地確認からです。
私は建設業界におりますので、エアコン業者を探すことは簡単です。一般的には難しいところですね。知り合いに建築関係の方がいれば良いのですが、自分で探すとなると難しいところです。そこで頼りになるのが管理会社です。管理会社は担当物件のメンテナンスの提案もすることから関連業者は良く知っていると思われますので、まずは管理会社に聞いてみるのが良いでしょう。
ただし、管理会社と業者の関係性については注意が必要です。紹介料などのキックバックを管理会社がもらっていることも考えられます。その業者から管理会社へのキックバックは、依頼主(あなた)への請求額に含まれています。
全ての管理会社がそうだとは言えませんが、良くある話です。そういう場合は、インターネットで”エアコン業者”を検索して直接探すことから始めなければなりません。業者とのやり取りを直接するというのも難しく感じるかもしれませんが、エアコンの仕組みなどの勉強になりますし、苦労した分の知識習得にはなります。エアコン更新のみならず、自ら積極的に取り組んでみても良いと思います。業者の比較検討をすることで、確実にコストも抑えられます。

エアコンを動かしてみると、すごい騒音。確かにこれじゃ仕事になりません。連絡をもらったのが暑さも寒さもほどほどの時期だったのがせめてもの救いです。
採用しているエアコンは、1台の室外機で4台の室内機から個別に空調できるシステムとなっています。これは一般に”オフィス用マルチエアコン(通称:ビルマル)”と呼ばれているものです。住宅用でもマルチエアコンがありますが、オフィス用ということでパワーが格段に大きいものとなります。そのため、電力も電灯契約ではなく、動力契約となります。
更新工事は週末の夜間に実施
工事中は天井についている室内機の交換から配線・配管のやり替えもあるため、事務所が使えなくなります。土日もお昼の時間は業務を行っているテナントさんがいるため、週末の夜間に行うことになりました。当然、工事費用は割高になります。仕方がないですが。
工事を始める前に、管理組合宛てに工事届けを提出しました。管理組合の規約には一般的に工事届けの提出が規定されています。ただし、出したからと言って騒音を出しても良いとは言えないんですけどね。1階の入り口の掲示板に工事の内容を掲示するだけですから、騒音とか出すといきなり怒鳴り込んでくる方もいたり、いろいろと調整しながら進める必要があります。
特に騒音ですね。コンクリートの壁に孔をあけることがあるので、離れた階や部屋にも音や振動が伝わります。個体伝搬というのですが、これを防ぐことは難しいです。事前にお知らせしても音が音なので、対応が難しいですね。
今日のまとめ
なかなかハードルが高いと感じられる各種工事の業者への発注ですが、複数業者へ見積を依頼することによる比較検討や工事に立ち会うことなどで非常に勉強になります。面倒がらに取り組んでみましょう。汗をかいた分だけ、必ず報いがありますよ。