不動産投資(雑居ビル編)

47日目 火災現場で

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現場に着いたら、焦げた臭いが立ち込めていて、通行人が遠巻きにチラチラ見ながら通り過ぎています。

建物は大きな幹線道路に面しているのですが、コの字型に道路に接しています。非常階段は幹線道路と平行している裏通りに位置しています。そちらに回ってみると、無残にも非常階段が丸焼けでした。。下から見上げても、5階から6階くらいまでが炎であぶられた形跡がはっきりと残っています。

鎮火して10時間近く経過した現場には、警察と消防、東京電力がいました。燃えた残骸とおぼしきドロドロをかき集めて袋に詰めています。火災の原因を突き止めるための物的証拠になるとのこと。

あのドロドロから見つかるものなのか?という疑問とともに、その作業をする消防の方の大変さが容易に想像できます。

実際の非常階段の地上部分の写真です。

自分の目で確かめる

非常階段は、下から見ると6階くらいまで被害を受けているようです。区分所有しているフロアの状況を確認するため、建物内部に入りました。

当然、エレベーターは動いていませんから内部の階段を使って上がります。消火や鎮火後の調査で人の出入りがたくさんあったのでしょう、階段は泥で汚れていました。

所有しているフロアの共有部は、内部から見たところ被害はなさそうです。各テナントさんの室内は覗けませんでしたが、それぞれ電話で被害がないことは確認済みです。

非常階段の地上階は実況検分が継続中でしたので、上階から非常階段にアプローチしました。

上の階から非常階段を下がっていくと、被害が徐々に重くなっていきます。所有しているフロア階では、主に次の項目の被害を目視で確認しました。

  • 外壁の汚れ
  • 屋上のエアコン室外機からの配管・配線の損傷
  • エアコンから発生する水を排水するためのドレン管の欠損
  • 屋外照明の欠損
  • 鉄骨階段の塗装剥がれ・汚れ
  • 各階へ電気を分配する配電盤の損傷

実は、目視ではわからない被害が火災では発生しています。それは、熱によるコンクリートや鉄の損傷・変質です。これについては、別途説明します。

管理組合の理事長は現場にいない

管理会社の担当者を見つけて話しかけますが、電話で聞いた以上の情報はありませんでした。復旧に関しても、警察・消防・東京電力の指示に従うしかないと。彼らには期待していませんが、消防や警察、特に東京電力との調整は彼らが実質的に担当することになります。心配です。

その近くに携帯で話している男性が目に留まりました。
「理事長! 火事が起きているんですよ! 理事長はなぜ現場にいないんですか!? この状況を把握するためにも現場に来るべきでしょう!!!」

ビルの管理組合の方なのか、区分所有者なのか、この雑居ビルの関係者であることは間違いなさそうです。

火事が発生して12時間以上発生しても、管理組合の理事長は現場に姿を出していないようです。確かに管理組合の理事長ですから、いの一番に駆けつけてもおかしくないです。

こんな状況であっても、管理会社に任せておけばよいという意識なのか。。その管理会社は甚だ頼りないのに。

テナントさんとのコミュニケーション

とにかく電力の復旧が最優先です。建物のいろいろな損傷や汚れは後回しでも構いません。

電気が通電しないと困るのはテナントさん達です。仕事が成り立ちません。一刻も早い電力復旧が求められます。

そんな中で、重要なのはテナントさん達とのコミュニケーションだと思います。ただですら仕事にならなくて被害を被っているわけですから、状況の推移については細かく報告することが大切になります。これによって退去を思い留ませることにもなるかもしれないわけです。

そこで2社のテナントさんには、頻繁に連絡を入れて状況を報告することに決めました。管理会社には、電力の復旧スケジュールなどについて少しでも新しい情報が入ったら、直ちに連絡するように強く申入れしました。

今日のまとめ

火事という事件が発生して、一番困るのはテナントさん達です。彼らの困惑の矛先は、今回の火災では誰にも向けることができません。だから一日でも早い復旧に向けて所有者は最大限の努力を続けていかなくてはならないわけです。
これが彼らとの信頼関係の構築につながることになると考えます。

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