今日は、借入期間(返済期間)をパラメーターにしてIRRの変化を検証しましょう。
借入額と金利が同一の場合、借入期間が長い方が毎月の返済額は下がります。その分、毎月の返済に含まれる元本の割合が減り、金利分が膨らんでいきます。借入期間が長ければ総返済額が増加します。
当然と言えば当然ですね。
元利均等と元金均等がありますが、今回は一般的な元利均等でシミュレーションを行います。
金利計算
エクセルのPMT関数を使って、簡単に元利均等の返済額を求めることができます。ここではエクセルの使い方は説明しません。いろいろ試してみると面白いので、自作の金利計算シートを作っても楽しいですね。
パラメーター
今回は借入期間がパラメーターです。
借入期間 15年 20年 25年 30年
の4種類とします。また、シミュレーションの条件は、
借入額 1700万
金利 2.5%
ここで、事業期間を何年に設定するのが適切でしょうか。借入期間と同期間、30年とか、いろいろ考えました。パラメーターを1つにして単純化した方が良いと思いますので、事業期間は30年に固定します。
この条件から、借入期間による、IRR、キャッシュフロー総額、初年度単月手残り額の変化を計算してグラフにまとめてみました。
IRRは、借入期間が長いほど高くなります。これは、事業期間(キャッシュフロー期間)を30年としていますので、借入期間が長いほど自己資金から同じ額を投資しても毎月の手残り額が増えることによって、効率が良くなっているということですね。
キャッシュフロー総額は、借入期間が長いほど低下します。これは、毎月の借り入れの返済に含まれる金利分が借入期間が長いほど多くなり、キャッシュフローの総額としては目減りするということになります。
初年度単月手残り額です。
借入期間が長くなると、毎月の返済額は減少します。そのため、初年度で比較すると手残り額は借入期間が長いほど増えます。
今日のまとめ
借入期間の設定は、投資スタイルによって考え方が変わります。IRRだけでは判断できません。毎月の手残り額優先なのか、キャッシュフロー総額なのか。。。
私はこの雑居ビルの借入では15年を採用しましたが、もうちょっと長い設定でもよかったかもしれませんね。