63日目に単純な例で、割引率や将来の売却金額をパラメーターにしてNPVを計算してみました。
では、実際の投資案件を対象にしてNPVを計算してみましょう。これで売った方が良いという判断が出たら、本当に売ります!
計算条件の設定
将来のことですから、いくつかの条件を設定する必要があります。条件設定は楽観的でも悲観的でもなく。でも、結局は未来のことですからね。誰にもわかりません。
- X年後に売却するときの金額
これは正直読めません。これがわかったら大儲けですよ。 - X年間の賃料の変化
これも難しいところですが、多分、今がピークかも。
建物の老朽化と共に下がるかな。 - 総合課税の税率
給与が下がったり、リストラとか、定年とかで条件が変わりますね。
でも、それって難しいので減価償却含めてのざっくり%で設定です。 - リフォームや改修工事の頻度や金額
難しいですけど、5年に1回くらいで設定しましょうか。 - 管理費、修繕積立金の額
実は、今年になって管理費が増額となりました。
これからも上がるだろうけど、とりあえず今のままで。 - 空室期間
ここは所有している物件のロケーションの良さを踏まえて、
強気の1ヶ月で。
計算する期間(X年間)も、パラメーターにします。
5年後、10年後、15年後、20年後の4種類を計算して、0年目の年末に売った場合との比較を行います。
賃料推移、売却金額、それから所得税(賃料収入に伴う総合課税)については、見込みとなっています。
キャッシュフロー予測を立てる
では、キャッシュフロー予測を立てましょう。キャッシュフローとしては次の項目が該当します。
【収入】
- 賃料収入
- 礼金
- 売却金額
【支出】
- 管理費 修繕積立金
- 固定資産税 都市計画税
- 賃料収入による所得税
- 修繕費やリフォーム費用
- 仲介手数料(賃貸)
- 売却時の仲介手数料
- 印紙
- 譲渡所得による税金(所得税+住民税 キャピタルゲイン)
- ローン返済
※賃料収入による所得税は、給与との総合課税となります。
そのため、収入に応じた税率となります。
※オール現金での購入なので、一括返済がありません。
これらと秋ほどの計算条件を加味してキャッシュフロー予測を立ててみました。
ご覧の通り、売却金額が2000万円で年末の未償却残高が1088万円ですから、キャピタルゲインが大きくなっています。それに伴って、分離課税となる所得税も。。。 これは仕方ないですね。2011年に所有して、このくらいの売却額で出口となれば、インカムゲイン+キャピタルゲインで、大きな利益を得ることができそうです。
NPVの計算と比較
計算条件とキャッシュフロー予測から、NPVを計算した結果です。
0年で、今すぐに売却した時の額と、将来売却した時のNPVを比較すると、この条件においては将来よりも「今すぐに」売った方が良い、という結果になりました。
次回はパラメーターを変化させて、売却時期の変化を検討してみます。
今日のまとめ
今日は実案件でNPVを求めて、すぐ売った方が良いのか、持ち続けた方が良いのかを、1つの条件で計算してみました。
今日の計算結果からは、売った方が良い、です。具体的に売却に向けて動いてみようかな。
[…] 64日目では、特定のケースでNPVを求めてみました。今回は、NPVに影響を及ぼす様々な要素を変化させてみます。 […]