61日目の不動産仲介業者からのアプローチから、出口戦略を考えてみよう!ということになりました。
私の不動産投資のスタイルは、キャッシュフローを重視して、長く「ちゃりん、ちゃりん」という不労収入を得ることです。
そのため、基本的には買うことはあっても、余ほどのことが無ければ売らないということになります。
では、なぜ出口戦略を考えるのか? それは、「時間」という要素を加味した上で、収益性を考えることが重要であるからです。
不動産を売らないといっても、永遠に所有し続けることは不可能ですから、いつかは売ります。中古で買って、耐用年数まで持つのか? はたまた、ボロボロになって建て替えの検討が必要になるまで保有するのか? いつ売るのかについての判断はなかなか難しいと思っています。
インカムゲインとキャピタルゲイン
インカムゲイン
それこそ私の投資スタイルでは主となるものです。「ちゃりん、ちゃりん」ですね。つまり、それぞれの不動産投資案件が、着実に安定してキャッシュを生むことです。
会社の同僚の多くは、会社からの給与に課税される所得税の還付を狙った、単体の事業としては不採算となる不動産投資を行っています。
これは不動産投資ではありません。やはり、不動産投資案件のひとつひとつが、事業としてプラスとなり、税金を払ってもちゃんとした収入を得ている状態が健全な不動産投資であると考えます。
それを実現するための適正なインカムゲインがキャッシュフローの最大化を生みます。
キャピタルゲイン
不動産もいつかは売ります。売るときにも利益が出れば、もちろんうれしいです。
数年前、人気のタワーマンションを買って、すぐに売り抜けることをしている人がいることを知りました。これは不動産投資ではなく「投機」です。投機は、博打(ギャンブル)と同じです。リスクが高く、安定した収益は望めません。
一か八かの利益は望んでいないのです。ミドルリスク、ミドルリターンで安定した利益を得ることを目的としています。
間違いない物件選びで購入した案件であれば、売却時にも利益を生むことができます。これがキャピタルゲインです。
今回は、出口戦略について検討しますので、キャピタルゲインをいろいろと調べていきましょう。
不動産投資は、現金が不動産に姿を変えること
手持ち資金やローンを使って不動産を購入し、賃料収入を得るのが不動産投資です。お金が不動産という姿に変わって、自動的にお金を生む機械のようになるわけです。
以前、私が不動産投資をしていると知った会社の同僚に、「1500万円の1Rマンションに投資をしたら、何年で元を取れるのか?」という質問を受けました。
バランスシートの左側の「資産」は、流動性の高い現金から流動性の低い不動産という順番で記載されますが、不動産を買うというのは、流動性の高い現金が流動性の低い不動産に資産が置き換わるだけ、というのが私の認識です。そのため、「元を取る」というのとは根本的に違いますね。
つまり、流動性の高い現金(もしくは、ローンを調達して)が流動性の低い不動産に姿が変わったわけですから、簡単ではないですけど、逆に不動産を売って現金化することもできるわけです。
当たり前のことを言ってるのですが、先ほどの「元を取る」というのは、現金と不動産が同じ資産として認識されていないことの表れだと思うのです。
不動産を売ること
不動産を現金化することが「不動産を売ること」ですが、単純ではありません。売ること自体は簡単ですが、様々な経費もかかってきますし、何しろ買主がいてこその売却ですから、そこには様々な駆け引きがあります。
売却時の受け取り金額とローン返済
不動産仲介業者を通じて売却することになった場合の受け取り金額は、次の通りです。ローン残高の有無やその金額により受取額は大きく異なります。
全額現金で購入したり、返済が完了してローン残高が0の場合です。売却金額がよほど低くならない限り、受取額が0になることはありません。
ローンの残高が残っている場合は、ローン元本の残高を一括返済することになります。購入時のローンの比率が高い場合、売却時に身銭を切ってローンを返済しなければならないケースもあります。ちょっと前に社会問題となった、一括借り上げアパートやシェアハウスで、収入や預金残高の偽造でフルローン以上を組むという事件がありました。まさに、これはローン返済有②のケースに該当します。もともと手持ち資金がないのに多額のローンを組んで、しかも採算性の低い案件に投資してるので破綻は当然ですが、売却して事業を清算しようにもローンを全額返済できませんから、返済資金が無い場合、自己破産しか選択肢が無くなってしまいます。
受取額の計算
受取額を求めるには、主に仲介手数料と税金がわかれば計算できます。印紙代は契約書に貼る印紙なので、契約金額に応じた額になります。
仲介手数料
不動産仲介業者へ支払う仲介手数料の金額は、
仲介手数料 = ( 売却金額 × 3% + 6万円 )× 1.1
となります。仲介業者は、買主と売主、両方から手数料をもらうのが一般的なので、この金額の2倍を受け取ることになります。例えば、2000万円の物件の場合ですと、
仲介手数料 =( 2000万円 × 3% + 6万円 )× 1.1 = 72.6万円
したがって、この取引の場合ですと、これの2倍、145.2万円も受け取ることになります。いいですねぇ。。。 取引をまとめることでこれだけの収入。だから、売主、買主の中を取り持って、契約させるためにあの手この手を取るわけですよ。(笑)
税金
不動産を売って利益が出た場合、税金を支払うことになります。この金額の計算は、次の通りです。
税金 =(売却金額 - 未償却残高 - 譲渡費用 - 取得費)× 税率
未償却残高
毎年、確定申告で減価償却分を収益から減じています。この減価償却分を購入金額から差し引いた金額が、未償却残高です。
毎年の確定申告で、減価償却を計上することで税金が安くなります。その分、売却時にはキャピタルゲインが多くなり税額が大きくなります。
不動産収入は総合課税なので会社から給与と一緒にされて課税となります。一方、キャピタルゲイン分は分離課税なので、給与とは関係なく一定の税率で課税されます。したがって、分離課税の税率が総合課税の税率よりも低い場合、償却による節税が見込まれるということになりそうです。
譲渡費用 取得費
売買にかかった、仲介手数料が対象になります。事業用不動産の場合、購入時にかかる不動産取得税や登記費用は含めません。
税率
不動産を購入してから5年(譲渡する歳の1月1日時点で)を境に税率が変わります。
短期譲渡(5年以下):39.63%
長期譲渡(5年超) :20.315%
今日のまとめ
不動産を売却するときのお金の計算について調べました。未償却残高と売買時の手数料などの合算金額よりも高ければ、キャピタルゲインとなり課税対象となります。5年以上保有して税率が約20%となって、不動産価格が上昇していれば、売却という流れも選択肢に入ってくるかもしれませんね。