昨日に引き続き、不動産にまつわる税金を調べて理解を深めるシリーズ第2弾。今日は不動産を購入した時に支払う登録免許税です。登録ですから、登記の時の役所の事務手数料というのはすぐに思いつきますね。役所とは法務局となります。
登録免許税の税率
登記の種類ごとの税率は以下の通りです。中古マンションを投資用に購入した場合は、固定資産税評価額の2%です。ここで注意すべきは、実際の購入金額ではないということですね。
登記の種類
登記というと不動産がすぐに思い浮かびますが、不動産以外にも以下のような登記があります。
- 商業登記(会社の設立・合併など)
- 法人登記(会社以外の法人登記)
- 船舶登記(船の権利を公示するため)
- 動産登記(農業機械や建設機械の登記)
- 立木登記(立木は所有権保存登記の対象です!)
これ以外にも登記対象とされている項目がありますが、件数では不動産登記が一番多いようです。
不動産登記の内容
不動産登記とは、土地や建物の物理的な現況と権利関係を公に示すために作られた登記簿に記録することです。
土地と建物でそれぞれ独立した登記簿があります。それぞれ登記には表示に関する登記と権利に関する登記に分かれています。さらに、権利に関する登記は、甲区(所有権)と乙区(所有権以外)に分かれています。
不動産登記 ①表示に関する登記
②権利に関する登記 A 甲区
B 乙区
① 表示に関する登記
土地や建物の物理的現況というとかたぐるしいですが、なんてことはありません。土地の場合は、㋐どこにあるかという場所を明らかにするということ、㋑土地の種類、㋒面積、の3種類です。
それぞれ、㋐地番、㋑地目、㋒地積と呼ばれます。
㋐ 地番
土地の場所を定めるものです。ここでややこしいのが、郵便物などの住所(住居表示)と地番が違うということですね。登記簿は地番で管理されているので、登記簿謄本をもらいたくても地番がわからなければ取得できません。
㋑ 地目
土地の用途を定めています。この用途は、建築にも関係があって、地目が「田」や「畑」などの農地の場合、建物は建てられません。建てる場合は、各地域の農業員会に届けて農地転用(農転)の手続きが必要です。ただし、その土地が市街化調整区域内の場合は、通常は建てられません。
㋒ 地積
土地の面積です。実は登記簿の面積が実際と大きく異なるケースが多々あります。大きな区画の土地の開発を進めるために測量を行ったら面積が全然違ってた、なんてことはざらにあります。昔の測量技術が低かったことが大きな原因であると思いますが、その地積によって税金が計算されているので、いろいろと不都合が起きます。(笑)
表示に関する変更・更正・滅失・分筆/合筆登記
それぞれ、登記事項に変更や間違い(更正)、無くなった(滅失)、土地を分割(分筆)、土地を合体(合筆)などがなされたときは、登記をする必要があります。
建物を建て替えるときは、古い建物の解体をします。解体が完了すると、建物の滅失登記が必要となります。
土地を数える単位として「筆」を使います。登記されている区画1つを一筆(ひとふで)、と呼びます。一筆の土地の半分を売りたいときは、分筆して二筆にしてから売ることになります。
② 権利に関する登記
A 甲区とB 乙区の二つに分かれています。
A 甲区(所有権に関する登記)
所有権に関する登記は以下の通りです。
- 所有権保存登記(新築の建物)
- 所有権移転登記(不動産売買)
- 変更登記(権利内容の変更、名義人の表示変更)
- 更正登記(間違ってたら)
- 抹消登記(対象の登記が無かった、無くなった)
B 乙区(所有権以外に関する登記)
不動産投資では、銀行からの融資を受けて事業を行うケースが多いですね。銀行からお金を借りる(借金)と、担保として物件に抵当権が設定されます。
もし、その借金が返済されない場合、抵当権が設定された不動産は借金の形に銀行に取られてしまいます。
その抵当権が登記されるのが、この乙区となります。主なものは以下の通りです。
- 抵当権設定登記(お金を借りたときの担保設定)
- 抵当権移転登記(抵当権が第三者に譲渡されたとき)
- 根抵当権設定登記(根抵当権を設定するとき)
抵当権が設定されると、金賞消費賃借契約を結んだ日、債務者、借入額などが記載されます。第三者も地番がわかれば、登記簿の写しを取得することは簡単にできますので、不動産の所有者、借入している銀行名、借入額もわかってしまいます。
抵当権と根抵当権
この違いってちゃんと理解できていませんでした。
抵当権 :特定の借入を対象
根抵当権:借入の上限枠の設定
根抵当権を説明する方がわかりやすいかもしれません。ある不動産に銀行が根抵当権(借入の上限額)を設定した場合、不動産所有者(債務者)は、その銀行から上限額の範囲で借入をすることができます。つまり、借入と返済を繰り返し行うことができるようになるわけです。
抵当権はこのような枠という概念がありませんので、借入と返済を繰り返して行うということはできません。
今日のまとめ
登録免許税を調べると、税金というよりも結局登記について整理することになりました。
司法書士に任せっきりですけど、所有者の権利や担保に関することが登記簿には記載されているので、細部までしっかり確認することが重要ですね。